先月、弊社マネージング・ディレクターのオリヴィエ・ヴァン・ベネデンは日本を訪れ、さまざまな日本企業の本社にて、人事および経営層の方々とお話しする機会をいただきました。
訪問を通しての気づきを含め、日本におけるグローバル変革の状況について以下にまとめました。
1. 日本本社は確実に変化しているが、その変革は容易ではない
今回の話し合いから明らかになったのは、日本企業は現状維持に甘んじているわけではなく、よりグローバルな組織へと着実に前進しているということです。多くの本社では、以下のような取り組みが積極的に進められています。
・海外拠点との連携強化
・本社における外国人社員の比率向上
・グローバル人材の育成
しかしながら、実際にはこの変革には依然として多くの困難が伴います。
・事業部門リーダー層の抵抗や躊躇
・コミュニケーションの障壁
・異なる働き方の統合の難しさ
興味深いことに、多くの人事部門はすでにこうした課題を認識しており、変革を積極的に推進していますが、一方で、事業部リーダーに迅速な行動を促すのに苦労しているケースが少なくありません。
2. 真の課題は認識不足ではなく、実行にある
もう一つ印象的だったのは、課題は「理解していないこと」ではない、という点です。多くのマネージャーは、文化的な違いやグローバル環境で求められる期待値をすでに認識しています。
しかし問題は、その知識を実際の状況に適用することにあります。
言い換えれば、現在見られる課題は、「知っているかどうか」よりも「実行できるかどうか」、そしてそれを「安全に実践できるか」にあります。
3. 駐在員モデルは大きな転換点を迎えている
多くの企業で、従来の海外駐在モデルそのものが見直しされ始めています。共通した課題として以下が挙げられます。
・海外赴任を希望する人材の確保がますます困難になっている
・若手社員の海外赴任へのモチベーション低下
・海外で実際に仕事を進めるための準備が十分にできていない
・赴任後のサポート不足
これは今後に向けて重要な問いを提起しています。
・海外赴任者の準備をどのように改善するか
・赴任後のサポートをどのように行うか
・駐在制度だけに頼らず、どのようなグローバル人材育成のアプローチを取るべきか
4. 日本からグローバルチームを管理するという新たな課題
日本本社のマネージャーの役割も、大きく変化しています。近年では、本社勤務のマネージャーにも、以下のことが求められるようになっています。
・国際的なチームのマネジメント
・外国籍メンバーとの協働
・グローバルな視点での意思決定
これに伴い、次のような新たな課題も生じています。
・コミュニケーションスタイル
・意思決定プロセス
・リーダーシップへの期待値の違い
多くのマネージャーは技術的に非常に優秀ですが、こうしたグローバルなリーダーシップに必要とされることを実践する機会と場が限られていることも多く、それが海外拠点における不満につながっています。
5. 単発研修から継続的な育成へ
多くの企業が人材育成・研修のあり方そのものを見直し始めています。従来の赴任前研修だけでは不十分だという認識が高まっていますが、その背景には以下のような理由があります。
・日本人駐在員は赴任前に多忙を極める
・実際の状況をまだ経験していないため、自分事として落とし込めない
その結果、次のようなアプローチへの関心が高まっています。
・新たな役割に就いた後の継続支援
・実際の業務に近い状況に基づいた学習
・単発研修ではなく、時間をかけた能力開発
実際問題として意味すること
現在、企業はこの変革においてそれぞれ異なる段階にあります。依然として日本中心の組織構造を維持している企業もあれば、すでにグローバル型・マトリックス型の組織として展開している企業もあります。そのため、ニーズも大きく異なります。
弊社では、こうした状況に応じて、例えば以下のようなサポートを行っています。
・日本人駐在員への赴任前・赴任後サポート
・本社社員向けのコミュニケーションおよびマネジメントスキル開発
・人事部門によるグローバル研修プログラムの設計・実施支援
・本社と海外拠点間の協働促進
つまり、異文化研修は、多岐にわたるレベルでのグローバル変革を支える取り組み全体の一部に過ぎません。
最後に
今回の対話を通じて明らかになったのは、日本企業がグローバル展開において新たな段階に入りつつあるということです。
もはや「なぜグローバル化が必要なのか?」という問いは不要です。
今問われているのは、「リーダー・マネージャー・個人それぞれのレベルで、どのようにグローバル化を実践していくか」という点です。
ここにこそ、真の課題、そして可能性が存在します。
もし貴社においても同様の課題に直面しているのであれば、JCOが地域、国内、グローバルとそれぞれのレベルで、どのようなサポートをご提供できるか、ぜひご紹介させていただきたいと思います。