日本の「完璧なものづくり」への追求
J日本は、ものづくりを極限まで追求する国として世界的に知られています。
世界最高峰の洋菓子職人を競う大会や、板金・塗装などの技能を競う「技能五輪国際大会(WorldSkills Competition)」では、日本代表が表彰台に立つことも珍しくありません。
JCOブログではこれまで、「改善(Kaizen)」や「現場(Genba)」といった、日本のものづくりを支える代表的な考え方をご紹介してきました。
日本社会のほぼあらゆる側面に、こうした「完璧を追求する姿勢」が浸透していることを理解しておくことが重要です。
興味深いエピソード
JCOのあるドイツ人講師は、通訳・翻訳者であるだけでなく、大の木工愛好家でもあります。
日本には、釘や接着剤を一切使わずに木材同士を組み上げる高度な「木組み」をはじめ、世界的にも高く評価される木工技術があります。
彼は昨年、静岡県で日本の大工職人のもとに短期間弟子入りし、そこで日本の伝統的な職人文化を体験しました。
彼が経験したのは、まさに日本の昔ながらの指導方法でした。
つまり、具体的な説明や細かな指示はほとんどなく、まずは師匠の仕事を注意深く観察し、自ら技術を見つけ出しながら、少しずつ仕事の流れや職人技を理解していくことが求められたのです。
「盗んで覚える」という学び方
「盗んで覚える」と表現されることもある、この学び方は、師匠の技術を積極的に観察し、吸収して身につけていくというアプローチです。
さらに興味深いのは、上達しても褒め言葉や激励を受けることはほとんどなく、返ってくるのは次のような言葉だったということです。
「この部分はまだ甘い。ここと、ここもだ。もう一度やってみなさい。」
このような日本の昔ながらの職人教育は、日本企業での人材育成においても、その名残が垣間見られるかも知れません。欧米の一般的なリーダーシップや人材育成と大きく異なる点の1つです。
日本型リーダーシップとグローバルマネジメントの橋渡し
もちろん、多くの日本企業では、2010年代半ば以降、世代交代などを背景に、リーダーシップや人材マネジメントの考え方が大きく変化してきました。
しかし現在でも、特に製造業では、日本人管理職や経営層の中には、「上司とは部下を励まし、モチベーションを高める存在である」とは必ずしも考えていない人もまだ一部います。
とはいえ、それは決して怠慢や無関心から来るものではありません。むしろ、海外現地法人の現地社員も自分たちと同じような価値観を持っていると、無意識のうちに信じているからなのです。言い換えれば、「誰もが常に仕事に100%の力を尽くすものだから、上司からの個別の動機付けは必要ない」と考えているのかも知れません。
ここで朗報なのは、従来のスタイルでマネジメントを行ってきた日本人管理職も、新しい時代に求められるマネジメントスキルを身につけ、磨いていけるということです。
JCOでは、日本語で受講できる「外国人スタッフの効果的なマネジメント講座」をはじめ、ケーススタディやロールプレイを取り入れた実践的な公開講座や社内研修をご提供しています。
さて、最後にクイズです!
この写真は、先述のJCO講師が日本で参加した大工職人の集まりで撮影したものですが、これは一体何でしょうか?

答えは……
「最も長く、最も薄い削りくず」を競う大会「削ろう会」の入賞作品の一つです。
日本では、新聞紙を透かして読めるほど、木を薄く削り出すことができるのですね。
このような「完璧を追求する精神」こそが、日本という国を特別な存在にしている理由の一つなのでしょう。